2007年12月08日 VS横浜国立大学 1部入替戦

1Q

2Q

3Q 4Q TOTAL
東海大学
17
13
21
7
58
横浜国立大学
0
0
7
0
7

横浜国立大学に勝利し、1部復帰が決まりました!!

入替戦レポート

12/8(土) 16:30- アミノバイタルフィールドにて1部Aブロック8位の横浜国立大との入替戦が行われました。
2部に陥落して2年、昨年の入替戦では東京大学に惜敗し、目の前で高らかに校歌を歌われ、とても悔しい思いをした事が昨日の事のように思い出されます。
この日は昨年以上にたくさんのOB・OGが応援に駆けつけてくれました。トライトンズ側のスタンドは驚くほどの観客の多さです。特に中央部のスタンドはすし詰め状態でありました。
その熱気の中、試合が始まります。
今シーズンを通してみると、思った以上にオフェンスの得点能力が高くなく、ディフェンスが相手の攻撃を制して勝利するパーターンが多く、この入替戦もロースコアで恐らく1TD差くらいの試合になると多くのOBが予想していたと思います。
キックオフリターン、自陣24Yからトライトンズの攻撃が始まります。学芸大戦で多用した1バックの体型ではなくIフォーメーションを中心に攻撃し、ランを中心にフレッシュを積み重ね敵陣深くに攻め込みますが、詰めが甘くFGとなりました。
ロースコアの予想を大きく覆す流れがこの後に起きます。横国大が大きなミスを連発します。TD後のキックオフでトライトンズがリカバーし、敵陣30Yから攻撃しTD。その後のキックオフで横国大はファンブルロスト。敵陣29Yから攻撃しTD。なんと試合開始からなんと12分以上横国大はオフェンスをしていません。第1Qで17-0という予想もしなかった展開となりました。
横国大は開いた得点差を挽回しようとパスを多用し、中央のゾーンの隙間へのパスは何回か成功されて攻め込まれましたが、今シーズン通して安定しているディフェンスは要所要所で止め、インターセプトも3回するなど、横国大の攻撃を封じ込めました。
その後もトライトンズはショットガンなども織り交ぜながら順調に攻撃を続けて得点を積み重ね、第4Qには控えの選手を出場させましたが、やはり力の差が出て終了間直、横国大に自陣2Yまで攻め込まれます。しかし3ダウンからスターターが戻り横国大の最後で最大の得点チャンスを奪い取り、58-7で勝利し、悲願であった1部復帰を手中に収めました。
横国大はスターターQBが未経験の1年生でした。フットボールを始めてまだ8ヶ月しか経っていません。この選手が熾烈な1部を戦い抜いてきたと思うと、今回の対戦校ながらこの選手と育成した指導者はたいしたものだと心から思う次第です。
この入替戦を見て痛感したのは、やはりミス、反則は「命取りになる」ということです。1部では特にその傾向が強くなるでしょう。
来年のブロック編成を考えるとAブロックは日大、早稲田、慶応、一橋、専修、東大、学芸と強豪校と相性がよくないチームがひしめいています。
来年に向けて更に、強く、たくましく、いいチームになる事を願ってやみません。

今年の春に、立命館大の古橋ヘッドコートのお話を聞く機会がありました。今年のワールドカップにも選ばれたQB高田選手がまだ大学2年生の頃、「能力のある選手」、「整った環境、設備」、「吟味された練習内容」、「バックアップスタッフ」とどれをとっても整っているのに勝てない時期が続いたそうです。そこで古橋ヘッドコーチは選手、スタッフ一人一人となんで勝てないのか、勝つ為にはどうしたらいいと思うかを徹底的に話し合いをしたそうです。
すると出てきたのは愚痴のオンパレード・・・オフェンスの選手は「ディフェンスが点を取られるから負ける」、ディフェンスは「オフェンスがTD取れないから」、ひどい場合はあいつが悪いと実名で名指し・・・更に「スタッフ、コーチが悪い」等など・・・前向きな意見はほぼゼロ。
これでは勝てるわけがないと心から思い、まず愚痴を言わない前向きになチーム作りをゼロからスタートし、そこから本当の強い、いいチームになっていけたそうです。
これはフットボールのチーム作りのみならず、組織作りとしても大変興味ある話だと感じました。

余談となりますが、これは本で読んだことなのですが・・・高級ブランドである「エルメス」ではライバルとしてどの企業(日本国内市場として)をターゲットにしているかご存知でしょうか。普通は「ヴィトン」や「シャネル」、「アルマーニ」などの高級ブランドを想像されるでしょう。しかし、エルメスがライバルとして心えがいているのは「東京ディズニーランド」なのだそうです。オンリーワンで一人勝ち。何ででしょうか? 東京ディズニーランドでは働いている人の大半が自給1000円にも満たないアルバイト。だけど働いている人の全てが「ディズニーランドで働きたくて働きたくて仕方がない」人たちなのです。ショーのダンサーから掃除をするアルバイトの人まで控え室から出る時は「オンステージ!!」(舞台に出ます!!)といって出て行くそうです。だから「イキイキ」なのではないでしょうか。チームを組織として捉えるならば、「フットボール大好き!!、トライトンズ大好き!!」がたくさんいればいるほどきっと強い、いいチームになると思うのですが、会社と一緒でなかなか思ったようには行かないのが難しいところですよね。ただ1つ確信することは「大好き」という思いは天井がとても高い可能性があることだとは思っています。
近年の、スポーツ推薦がない国立大の躍進は、こんなところにも理由があるのではないかと思う今日この頃です。

※当日は多くのOBの方にお越しいただきました。